その1では映像から両作品の共通する情報(コード)を解読してきました。今回は名前に隠された情報を解読してまいります。
キャラの名前は非常に重要な情報が搭載されています。生みの親(作者)はキャラに何かを託し、何かを伝えようと二次元に創造されたはずなのです。そうでなければ物語は生まれません。
これだけ巨大な作品として成長し、世界中から脚光を浴びて称賛されたということは、人智を超えた何かーーそれは高次領域から意図して生み出された作品と申し上げても過言ではないと思われます。
上は瀧くんが作品中に叫ぶセリフです。瀧くんが探し続けてきた片割れであるヒロインの名前は宮水三葉。(みやみずみつは)宮水家は1000年の歴史を誇る宮水神社を守り続けてきました。
この名前には非常に重要なコードが込められています。これをしっかりと解読しなければ先に進めないのです。
宮水家が守り続けてきた宮水神社。みやみず神社。
宮水神社、水神社。
宮水三葉、みつは、みつはのめ。罔象女神(みつはのめのかみ)。
つまり宮水三葉さんは水神社の祭神「みつはのめのかみ」さまだったのです。どおりで宮水家の巫女さまなのですね。
さてこの女神さまがお生まれになったエピソードは、国生みの神様であるイザナミが火の神・火之迦具土(ほのかぐつち)を生んだことで、女陰を焼かれ致命傷を負った際に出たおしっこが自然と「罔象女神(みずはのめのかみ)」という神になったとのことです。(日本書紀)
「ミツハ」「ミズハ」の語源は「水が走る」「水が這う」というところからきており、灌漑のための引き水のことを指したものとされる説や「水つ早」ということで、水の出始め(泉、井戸など)のことだという説があります。この女神さまは水の神様なのです。
阪神高速東大阪線の水走(みずはい)。この地名に神様の名前が隠されていたとは。石切神社内に水神社があります。
瀧くんは、三葉さん(みつはのめのかみ)を探していたということになるのです。
では、瀧くんの名前には何が隠されているのでしょう。
上は三葉さんのセリフです。瀧という字、あえて難しい漢字を用いているように感じますが、それも意味があります。
さんずいに龍。龍は水場に宿っています。すなわち瀧くんは龍です。さらに瀧は滝。滝の神様といえば、瀬織津姫さまのことです。
瀬織津姫さまは、滝をご神体とする女神さまで水の神様です。すなわち、罔象女神(みつはのめのかみ)さまと瀬織津姫さまは同一の女神様です。というよりも、罔象女神(みつはのめのかみ)さまの本当の名前が瀬織津姫さまなのです。
三葉さんの頭につけている飾りは龍です。罔象女神(みつはのめのかみ)さまも瀬織津姫さまも龍神様なのです。
瀬織津姫さまは滝に宿られ、水を司る女神様。水は浄化の働きがあります。水は生命にとってなくてはならないかけがえのないもの。いのちの恵みを与えてくださる反面、大洪水や津波などで自然災害を起こす一面も備えておられます。
瀬織津姫さまは天照大神の荒魂(あらみたま)とされているので、大浄化の働きを担います。
*荒魂(あらみたま)=古代日本人は、神の霊魂は荒魂と和魂(にぎみたま)の二つの働きを持ち、和魂はさらに幸魂(さちみたま)・奇魂(くしみたま)の二つの働きを持つと考えた。荒魂は外面に表れた荒々しく猛々しい面を指す。
さて、そもそもなぜ『君の名は。』のヒロイン三葉さんの名前に瀬織津姫さまを隠してまで、壮大なストーリーを創作されたのでしょうか。
ヒロインを探し続けていた主人公の瀧くんもまた、名前に水を意味するさんずいに龍が表されていますから、おのずと瀬織津姫さまを示していることがわかります。
瀧くんはかたわれ時(彼誰時)に自分の片割れである三葉さんと3年という時空間を超えてやっと出逢うことができたのですが、かたわれ時が過ぎてしまったと同時に三葉さんの名前を忘れてしまうのです。そしてどんなに思い出そうとしても思い出せなくなってしまうのです。
女神さまの名前を忘れてしまったのは、われわれ現代人です。天照大神のツイン(夫婦)であるはずの女神様のご存在を忘れてしまった。そうなると天照大神は本来、男性神であらねばならないはずです。じゃあ、なぜ現在は天照大神は女神さまになっているのでしょう。現代では天照大神が女神様とされていることに矛盾があると気づかされます。
それを紐解くには、古代にさかのぼって探求しなければなりません。第七十三世武内宿禰であられる竹内睦泰氏の解説を実際にごらんください。
(下のリンク先にクリックすると、要点から再生します)
「武内宿禰が語る鹿島・香取と国譲りの真実」第七十三世武内宿禰と行く秘授口伝ツアーVol.8 茨城
(上の動画の8:12ごろから)
男神天照大神は天照国照彦天火明櫛玉餃堯速日尊 (アマテルクニテルヒコアメノホアカリクシタマニギハヤヒノミコト )すなわちニギハヤヒ。出雲系。スサノオの四男。物部の始祖。ということです。このことについてはちょっと置いといて。
ニギハヤヒは男神天照大神。そしてその妻である女神さまの瀬織津姫。
要するに、瀧くんはニギハヤヒ。三葉さんは瀬織津姫さまということになるのです。
忘れてしまった片割れを思い出してふたりが出逢うことは、封印されていた神様が表にお出ましになることが可能となるということ。すなわち、現代人が忘れていた神々の記憶を取り戻し、顕在意識に起こして集合意識を構築することが意図された映画なのではないでしょうか。
瀬織津姫(せおりつひめ)は、神道の大祓詞に登場する神である。瀬織津比咩・瀬織津比売・瀬織津媛とも表記される。古事記・日本書紀には記されていない神名である。(wikipedia)
大祓詞は、祓い清めの祝詞です。瀬織津姫さまは水の女神さまであり、滝の女神さまですから、水で祓い清める役割をされておられます。
瀬織津姫さまのお名前は、罔象女神(みつはのめのかみ)をはじめ、弁財天、醜いと言われた磐長姫の名に書き換えられたり、山姥や鬼伝説にされて恐れられる対象にされてきました。
上は瀬織津姫さまが祀られている宇賀多神社(三重県)で撮影した写真です。このように、瀬織津姫さまのお名前が残っている神社もあるのですが、多くは書き換えられたようです。
では瀬織津姫さまが隠されなければならなかった理由は何だったのでしょう。先に述べた天照大神は男神ニギハヤヒだという事実があります。しかもニギハヤヒは出雲系、スサノオの四男ということでした。このことが複雑になっている理由でもあるのです。
「顕と幽、見える世界と見えざる世界、生と死、これら表裏一体である」として、「顕界」の主神たる天照大神と「幽界」の主神たる大国主神を同じく祀るよう主張する出雲派に対し、伊勢派は、天照大神は顕幽両界を支配する「天地大主宰」であり、他の神々はその臣下にすぎないと主張するなど、両派は真っ向から対立。果てには、「出雲派が神代より続く積年の宿怨を晴らさんとしている」「皇室に不逞な心を持っている千家尊福を誅殺すべし」など、様々な風説が飛び交った]。(wikipedia)
*天津神・国津神(あまつかみ・くにつかみ)は、日本神話に登場する神の分類である[1]。大国主など、天孫降臨以前からこの国土を治めていたとされる土着の神(地神)を「国津神」、天照大神などがいる高天原の神を「天津神」という。ただし、高天原から天降ったスサノオや、その子孫である大国主などは国津神とされている[2]。(wikipedia)
*ちなみに封印されている国津神は「祭ろわぬ神(まつろわぬ神)」といってアラハバキといわれています。
このように神様の世界にも対立構造になっているのです。これが三次元に波及して対立構造を人類に落とし込んでいる原因でもあるのです・・・。
アマテラスvsスサノオ
天津神vs国津神
伊勢vs出雲
という・・・。
天照大神が女神として皇祖神にしたのは持統天皇でした。それまで伊勢神宮の主神はタカミムスヒでした。
しかし、712年に完成した『古事記』と720年の『日本書紀』『神代紀』では堂々と天照大神(女神)の名で主役級の扱いになっています。持統天皇の権力で藤原不比等に『日本書紀』を改ざんして創作させたのではないかといわれているようです。
持統天皇が天照大神を女神にするためには、男神である天照大神ニギハヤヒを封印しておかなければならなくなる。しかもニギハヤヒは出雲系で国津神。持統天皇は伊勢系で天津神。なぜならば、持統天皇の始祖は初代天皇・神武だから。神武はアマテラス(女神)の孫ニニギの子孫であり伊勢系、天津神だから。
ニギハヤヒを封印したい意図はわかるけれど、なぜ持統天皇は瀬織津姫さまをこぞって封印したのか?
ここからさらに深めなければならないのですが、一旦休憩しましょう。( ^^) _旦~~オツカレサマ~
「リュウと春麗の神隠し」というテーマですから、神様の名前が出てきます。神様の系図はとてもややこしいので図を引用させていただきました。頭がこんがらがってしまいますね。
けれど、次からが本番につながってまいりますので、お付き合いのほどよろしくお願いします。<(_ _)>